日本内科学会雑誌
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高血圧症に於ける生体内総ナトリウム量(Total Exchangeable Sodium)に関する研究
富永 忠弘
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1961 年 50 巻 7 号 p. 560-571

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抄録

高血圧症において体内にNaの過剰停滞が存在していることは,臨床的並びに実験的高血圧症で推測されている処である.著者はNaの放射性同位元素Na24を用いて生体内総ナトリウム量Total Exchangeable Sodium(以下Naeと略す)を測定し,この問題の解明を試みた.浮腫のない本態性高血圧症36例及び2例の原発性アルドステロン症を含む7例の症候性高血圧症患者に都合51回の測定を行なつた結果は, Naeは高血圧症群で著明に増大を示し, Naの生体内過剰停滯の存在を推定できる成績が得られた.又かゝるNaeの増大を来たす機転解明のため,心腎因子,治療手段,高血圧持続期間,本態性・症候性の別等について検討を加えたが,いずれも明らかな関連はなく,唯収縮期及び拡張期血圧の高さそのもの及び眼底所見の程度と良く並行することが認められた. 2例の原発性アルドステロン症においては,手術後血圧が正常化すると共に, Naeも正常化する現象が見られた.

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