日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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広島大学医学部和田内科学教室
西本 幸男佐藤 哲也原田 信徳野島 逹也
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1962 年 51 巻 3 号 p. 201-210

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抄録

慢性肺気腫は,少なくとも肺の過膨張と気道の閉塞性換気障害の2条件を有すべきであるという観点から症例に肺機能検査を実施し,肺気腫研究会の試案によって狭義すなわち巌密な意味での肺気腫と広義の肺気腫とに分けた.ついで胸部X線検査より従来肺気腫の際出現するといわれている骨性胸廓の変化・肺の変化・横隔膜の変化・心臓の変化等と上述の肺気腫の分類との関係を検討したところ,所見のあるものはこれとよく平行した関係が認められたが,個々の所見では肺気腫と断定し得るほど特徴的なものはみられなかつた.そこで呼吸困難の分類及び胸部X線所見のうち,心後腔開大・気腫性嚢胞・横隔膜低位・滴状心の5項目を組合わせて判断すると,ある程度の確実さを以て肺気腫を診断し得ることが判明した.このような方法を用いると,肺機能検査の実施が不可能な症例における慢性肺気腫の診断の機会を増加せしめ得るのではないかと考えている.

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