日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
血清Haptoglobinに関する研究
第2報実験的肝障害時の血清Haptoglobin変動について
別役 郁子
著者情報
ジャーナル フリー

1962 年 51 巻 6 号 p. 773-780

詳細
抄録

各種肝疾患における血清haptoglobin(Hp)値の変動については,前報に記載したが,今回は動物における肝障害時のHpの変動を観察した。四塩化炭素olive油経口投与で, ratに急性肝障害を起こさせた場合, Hp値は24時間後に著しく低下し,平均低下率は前値の56.7%で有意の減少を示すが, 72時間目の低下率は84.0%と回復の傾向を示す。また四塩化炭素olive油をくり返し投与した慢性肝障害群では,血清Hp値は経過を追うにしたがつて低下し, 4回投与を行なつた7週間後の群では,その低下率は最も大きい。すなわち,動物によるmodel実験は肝疾患臨床像とよく一致する。その時間的経過,肝障害度との関係を観察し,あわせて,その病態生理学的意義に二,三の考察を加えた。

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事
feedback
Top