日本内科学会雑誌
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体質性過ビリルビン血症(Rotor型)の一家系
種本 基一郎松浦 覚上羽 康之岩崎 忠昭
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1963 年 52 巻 3 号 p. 208-212

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抄録

Dubin-Sprinz症候群とRotor型の異同を鑑別する上に興味ある体質性過ビリルビン血症の1例を経験した.患者は20才の男子.新生児黄疸に引続く眼結膜の黄染と家族に同症状を有する姉妹を認め,臨床機能検査ではBSP20%,直接ビリルビン4.81mg/dl,総ビリルビン6.42mg/d1,胆嚢造影は可能であつた.試験開腹では,肝,脾は正常色,総胆管狭窄は認められず,肝病理組織学的に肝細胞は正常,炎症性変化及び胆汁のうつ滞等を認めないが,肝細胞内に微細な少量の黄褐色の色素顆粒を認めた.電子顕微鏡学的には肝細胞, mitochondriaは異常なく,顆粒は電子濃度の高いものであつたが異型的なD-S症候群のものと比べ少量かつ微細であつた.組織化学的にはリポフスチン様であつた.本症例が体質性過ビリルビン血症のいずれの型に属するかを種々検討し, Rotor型よりD-S症候群への移行型と推定した.

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