日本内科学会雑誌
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鉄代謝の病態生理にかんする研究I
血清鉄結合蛋白の代謝にかんする研究〔A〕131I標識ヒトトランスフェリンの代謝回転
小鶴 三男
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1963 年 52 巻 6 号 p. 629-637

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抄録

正常人及び各種疾患々者に131I標識ヒトtransferrinを静注して一定時間毎に採血し,血清放射能消失曲線を求めた.同時に定量的沈降反応によつて血清transferrinを測定し, Sterlingの方法に準じて代謝諸量を算出し,各種疾患別に比較した、慢性腎炎においては,尿中transferrinの免疫化学的定量を行なつて131I標識transferrin代謝回転の成績を検討した.正常人では代謝プール314.8mg/kg (241.4~408.3),半減期11.0 days (10.5~12.1),交替率6.3%/day (5.7~6.6), 19.6mg/day/kg (15.9~23.3)であつた.正常人に比べて非出血性鉄欠乏性貧血では半減期は著明に延長し,代謝プールは著明に増加しtransferrin分解の減少を推定できた.胃腸出血を伴なつた鉄欠乏性貧血では血清transferrinは増加したが半減期は短縮し, hypercatabolic hypertransferrinemiaを呈した.肝硬変では血清transferrin代謝プールは減少し,半減期は正常値を示し,肝におけるtransferrinの生成低下を推定できた.ネフローゼ型慢性腎炎では血清transferrin,代謝プールは減少し,半減期は短縮し,尿蛋白量の約4%のtransferrinを排泄していた.

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