日本内科学会雑誌
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I. 血清鉄結合蛋白の代謝にかんする研究
[B] トランスフェリンの分離と肝内生成について
小鶴 三男
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1963 年 52 巻 6 号 p. 638-645

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抄録

Transferrinのリバノール溶解性とイオン交換セルローズクロマトグラフィーを利用してラット血漿よりtransferrinを分離した.ラットtransferrinを用い家兎を免疫して抗ラットtransferrin家兎血清を作製し,その特異性をOuchterlony法および免疫電気泳動により確認した.正常ラット肝及び脾の切片をglycine-2-14Cを含む無機イオン培地にincubateした後, homogenizeし,遠心分離により得た上清に抗ラットtransferrin家兎血清を加えて免疫化学的に分離したtransferrin分画へのglycine2-14Cの転入を観察した.脾への転入量はほとんど零であつたが,肝には1.7±1.17 (10-3μM/mg-protein/hr)で他の血漿蛋白(albumin, fibrinogen等)と同様にtransferrinの肝内生成を証明し得た.他方,鉄欠乏性貧血肝およびCCl4障害肝を用いて同様の実験を行ない,鉄欠乏肝ではtransferrin生成の充進を, CCl4障害肝ではその低下を認めた.

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