日本内科学会雑誌
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興味ある胆道系疾患の2例
木村 元藤宮 松太郎渡部 義一村川 英三
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1963 年 52 巻 9 号 p. 1089-1095

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抄録

第1例. 57才,男.右下肋部純痛,黄疸,肝腫大あり.肝機能検査成績より閉塞性黄疸を伴なつた肝実質障害で,閉塞機転は胆道癌あるいは膵頭癌によるものと考えて開腹術を行なつた処,肝胆管,胆嚢胆管,総胆管の壁の高度の肥厚による胆道狭窄が閉塞の原因であることが明らかにされ,同時に軽度の胆汁性肝硬変,慢性胆嚢炎が認められた.術後経過は良好であつたが,試験切片を切除した左肝葉辺縁の穿孔による胆汁性腹膜炎を併発して死亡した.第2例. 39才,男.吐血で入院し,十二指腸潰瘍と共に,十二指腸下行部に手拳大の陰影欠損が認められ,有茎性ではなく,腸蠕動と共に形を変える良性腫瘍と診断された.開腹の結果,十二指腸内腔に突出した嚢腫で,内容は胆汁であり, Vater膨大部と小交通口を有する重複胆嚢と診断された。しかし組織学的には重複十二指腸(腸管性嚢腫)である事が明らかにされた.すなわちこの嚢腫の壁は両面共に十二指腸粘膜で,それぞれ筋層を有し密着していた.

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