日本内科学会雑誌
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鹿児島市で発見された異常血色素(Hb Kagoshima)について
太田 善郎清田 正司大宅 一平今村 孝花田 基典
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1964 年 53 巻 2 号 p. 188-194

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抄録

昭和32年以降当教室で行なつている西日本地域での異常血色素症のscreeningにおいて,最近鹿児島市に存在し,顔面tic症を有する9才の少女より異常Hbを発見し, Hb Kagoshimaと命名された.この発端者には特記すべき血液学的所見は認められなかったが,その遺伝性は2世代に亘つて証明された.アルカリ性pHでの諸種電気泳動法では,この異常成分は明らかに正常成人血色素(Hb A)より速い易動度を示し,全血色素の25%を占める. Hb Miyada (α2A 2β Miyada 2)およびイヌHbとを用いたhybridization試験では, Hb Kagoshimaはそのα-polypeptide鎖に異常を持つことが判明した.さらにfingerprint法による異常peptideの検索同定の結果は,そのglobin構造の異常がIngram numberの20α(21α),即ちα-polypeptideのN末端より7番目のpeptide fragment (αTp VII)にあることが確かめられた.これらの実験成績はHb Norfolk257 Asp 2 βA 2)に類似しており,その異同にかんしては,目下研究中である.

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