日本内科学会雑誌
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PVP-131I分割投与による甲状腺機能亢進の治療について
金井 武彦
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1966 年 54 巻 12 号 p. 1355-1366

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抄録

甲状腺機能亢進症に対する131I療法は,最も期待し得る治療法であるが,その投与量について意見が一致しない.すなわち甲状腺重量の決定が体外計測では困難な上に,甲状腺機能は腺腫の大きさと必ずしも平行せず,甲状腺によつて131Iの感受性に差があるなどの理由による.ま131Iの大量投与は危険な副作用をもたらす怖れもある.甲状腺機能亢進症は他の内分泌臓器にも少なからぬ影響を与えているので,これら諸臓器間の相関々係に113I大量療法で,急激な不均衡をきたすのは適当でなく,この意味においても著者は分割投与が有効であると考えた. PVPが131Iの甲状腺への集積をたかめ,有効半減期を延長せしめるという作用を利用し, PVP-131Iを甲状腺機能亢進症161例に注射して,その分割投与の治療効果を検討した.すなわち自覚症状は著明に改善され,血圧, BMR. 131I摂取率, PBI,血清cholesterol, alkaline phosphatase心電図などの臨床検査所見も著しい改善をみた.治癒は132例(81.9%)に認め,軽快は22例(13.6%),不変は7例(4.3%)であつた. PVP-131Iの総投与量は5~15mc,平均8mcであつた.

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