日本内科学会雑誌
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ブロム酸カリウム(コールドパーマ第2液)中毒による急性腎不全の1例
上田 英雄山本 英雄権平 達二郎岩井 淳一池田 隆夫中島 宏二
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1966 年 54 巻 12 号 p. 1408-1414

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抄録

患者は39才の美容師で,コールドパーマ第2液用のブロム酸力リウム15gを服用し,直後からはげしい嘔吐・下痢を生じ,血圧下降,耳鳴・難聴あり, 5日間無尿がつゞいた後当科に入院した.入院時,浮腫,黄疸はなく,軽度の高血圧を呈し,血清クレアチニン13mg/dl,尿素窒素82mg/dl,カリウム7.4mEq/l,間接型ビリルビンの軽度増加のほか肝機能正常.心電図でST下降, T平低を認めた.腎クリアランス検査でRBF 124cc/min, GFR10.4cc/min,入院3日目の腎生検で,尿細管特に近位尿細管に一部核の消失を伴なう高度の空胞変性,間質の一部に軽度の出血を認めたが,糸球体,血管系はほゞ正常であつた.入院後直ちに24時間連続腹膜透析施行,その後も反復合計10回施行した.尿量は入院7日目頃から1000cc以上となり,その後尿量の増加と頻回の透析により血中窒素成分も正常域まで減少し, 3カ月後退院した.本例は文献上コールドパーマ第2液中毒例として本邦第2例である.

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