1965 年 54 巻 4 号 p. 311-319
一般人と同様に抗原に接していながら何故いわゆるアトピー性疾患患者がアレルギー症状を呈するようになるかは未だ充分には解明されていない問題である.そこでレばしば皮膚テストが陽転すろACTHを用いてACTH-Zn筋注による皮膚感作抗体の産生能を喘息, リウマチ等52症例について検討し,同時にACTH過敏症予防のための皮内テストの意義を検討した. 8回以内のACTH-Zn筋注で0.2u/ml ACTH生食溶液による皮内テストは52例中42例が陽転したが, ACTHに対する皮膚感作抗体産生能はアトピー性喘息群が最も高く,慢性関節リウマチ群は対照群に比してむしろ低い結果がえられた.臨床的にACTH過敏症予防のための皮内テストに用いるACTH溶液の濃度は10-3u/ml前後が適しているように思われた.