日本内科学会雑誌
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DCA投与によるラットの実験的血管障害 血圧上昇との関連性について
西村 宏子
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1966 年 55 巻 5 号 p. 422-431

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抄録

DCA, および食塩の過剰投与により惹起される血管病変の発生と経過, また, それらと血圧上昇との関連性の検討を目的とし, 研究を行なつた. 片腎摘出ラットに連日DCA1mgと1%食塩水を投与し, その結果生ずる体重, 血圧の変動, 形態学的変化を経時的に観察し, かつ相互の関係を比較検討した. 細・小動脈のフィプリノイド壊死を主体とする壊死性変化は血圧急上昇期に一致して急激に発生し, その後, 高血圧は持続するにかゝわらず病変の発生は漸減し, 必ずしも血圧値に相関しない結果をえた. 一方, 壊死性変化に引き続き結合織性増殖が広範に出現し, とくに腎では糸球体, 尿細管の二次的な荒廃と相まつて病変の特異な進展が示唆された. また病変の成立機序に関与する高血圧の役割につき若干の考察を加えた.

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