日本内科学会雑誌
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血清leucinamide分解酵素にかんする研究Heterogeneityと肝疾患における変動について
辻 仁
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1967 年 56 巻 2 号 p. 101-108

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抄録

血清中のleucinamide分解酵素の酵素学的な性質,電気泳動像をleucyl-naphthylamide分解酵素と比較検討し,両者は異なつた酵素であることを確認した.leucinamideを分解する酵素は従来leucin aminopeptidaseしが知られているのみであるが,血清中に2種存在し,両者は酵素学的性質,電気泳動像を異にする.その一つは, ieucine aminopeptidase (Smith)と同一と考えられ,肝炎血清中で主体を占め,電気泳動上, isozymeと思われる2峰に分かける.他の一つは,正常血清,閉塞性黄疸血清で主体を占め,前者とは明らかに性質の異なるpeptidaseである. Mnイオンの影響の差を利用して,両者を同時に定量すれば黄疸の鑑別診断に役立たせ得る.

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