日本内科学会雑誌
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腎性糖尿にかんする研究6家系の検討
上田 泰小林 房之助山本 寛八郎高須 照夫
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1967 年 56 巻 6 号 p. 521-530

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抄録

Marbleのcriteriaに一致した6家系,計28人の腎性糖尿患者について病態生理,遺伝関係など種々な観点から分析した.尿糖は常時存在し, 1日尿糖量は中等度である.空腹時血糖値は正常ないし低値を示し,耐糖能に異常はなく,糖負荷時の血清電解質ならびにNEFAの変動も正常であつた.糖質摂取量を変えても,またインスリンを投与しても1日尿糖量の変化はほとんどなかつた. glucose titrationによりえた結果は, (1) relative glomerular activityの増大は著明であつた. (2) TG/CFとPG CFとの関係ではPG CF値が高くなるとTG/CFが正常値をとる群と異常高値をとる群とに分けられた. (3) titration curveでsplayは著明に拡大していた.すなわち本症例が示す糠尿は個々のnephronのheterogeneityにより出現することが示唆される.遺伝関係では常染色体優性遺伝型で浸透は完全であつた. 10カ月から2年3カ月間では1例も真性糖尿病へ移行していない。

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