日本内科学会雑誌
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Aspergillus性心内膜炎の1剖検例
里吉 営二郎濤川 光男難波 経彦中島 利子
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1967 年 56 巻 6 号 p. 579-584

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抄録

真菌症は重症感染症の末期などにしばしばみられ,近年ステロイド薬や抗生物質の使用が盛んになるにつれて報告例が増している.一般にaspergillus症は呼吸器を侵すことが多く,時に消化管あるいは全身に播種性の病変を示すことがある. 6カ月間にわたる間歇性発熱,筋痛および栓塞発作を繰返した62才の男子例で,当初,細菌性心内膜炎を疑い治療し,約1カ月の経過で死亡した.剖検の結果,亜急性aspergillus心内膜炎および無数のEmbolieによる全身aspergillus症であることを確かめた.

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