日本内科学会雑誌
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慢性気管支炎と消化性潰瘍
和田 直西本 幸男勝田 静知大川 辰二郎平田 浄子重信 卓三佐々木 正博於保 弘美大成 浄志
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1968 年 57 巻 1 号 p. 80-87

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抄録

慢性気管支炎と慢性肺気腫とはしばしば表裏一体の関係に立つが,このような慢性肺気腫と消化性潰瘍との合併が近年二,三の学者により推定されている.そこでわれわれはFletcherの基準を満足して慢性気管支炎と診断される毒ガス傷害者を対象として,消化性潰瘍の発見を中心とした検索を試みた.検査対象は134症例であつたが,このうち21例(15.6%)に消化性潰瘍の合併がみられた.この合併率は慢性肺気腫における二,三の報告とほぼ匹敵した.またこの消化性潰瘍の合併は重症で閉塞性換気障害を示す気腫性変化の強い慢性気管支炎に比較的多くみられた.以上より,慢性気管支炎にみられる消化性潰瘍の発生は,閉塞性換気障害とある程度の因果関係をもつことが推定された.

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