1968 年 57 巻 11 号 p. 1381-1395
諸種内分泌疾患々者についてtotal exchangeable sodium (Nae)およびpotassium (Ke)を測定し,得た成績をtotal body water (TBW)から算出したlean body massとの関連において比較した.原発性アルドステロン症ではNaeは著増し, Keは減少していた.一方続発性アルドステロン症を伴なつた腎尿細管性アシドージスでは, NaeおよびTBWの増加はなくKeは著減していた. Gushing症候群ではKeは減少していた. Addison病では予想されたNaeの減少, Keの増加はみられなかつた.褐色細胞腫ではNae, KeおよびTBWはいずれも正常であつた.甲状腺機能亢進症ではNae増加, Ke減少の傾向があつた.これに対し甲状腺中毒性および特発性周期性四肢麻痺では多くの場合NaeおよびKeは正常であった.粘液水種ではNaeおよびTBWの著増が認められた.末端肥大症ではNaeは増加しNae/Keも上昇していた。Nae, KeおよびTBWの変動はホルモンによる直接の電解質作用のほかに,異化作用による二次的影響が加味されている.