日本内科学会雑誌
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Amyloidosisを伴なつたBence-Jones蛋白骨髄腫の1例
栗栖 明武正 勇造
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1968 年 57 巻 11 号 p. 1403-1407

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抄録

Adams & Dose (1872)が,骨髄腫とアミロイドージスとの開係について,はじめて注目して以来,両者の合併した症例報告が次第に追加され,アミロイドの発生と骨髄腫,とくに, Bence-Jones蛋白体との関係が興味をひいてきた.しかし,近代医学の進歩に伴ない,分子レベルでの研究が行な われるようになつてから,この両者の関連性については,むしろ否定的な所見が多く,一部の学者は,アミロイドを一つの新しい結合織疾患と考えるようになつている.この報告は,慢性関節リウマチ類似の初発症状を示したBence-Jones蛋白骨髄腫の61才の家婦が,全身性アミロイドージス(とくに関節周囲および全消化管粘膜下組織に著明)を伴ない,経過中,いわゆる抗体欠乏症候群を呈し,肺炎を合併して死亡した症例にかんするものである.

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