日本内科学会雑誌
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ヒメハブ毒(Trimersurus okinavenisis)のヒト凝血機構におよぼす影響
三好 美春
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1969 年 58 巻 1 号 p. 17-27

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抄録

古くから蛇毒にはヒト血液の凝血機構に影響を与える物質を含むことが知られており,若干の毒蛇についてはかなり詳細な検討が行なわれている.本邦産毒蛇蛇毒についてはハブ毒,マムシ毒がかなり強力な凝固阻止物質を含むことがすでに知られているが,その他の蛇毒についての検索成績はほとんど見当らない.よつて,著者は本邦南方諸島に棲息するヒメハブ(Tr. flavovisidis)毒のヒト凝血機構におよぼす影響を,近年用いられている検査術式により検討した.ヒメハブ毒はヒト血液に対し強力な凝血促進性を示すが,詳細に検討すれば,軽微ながら抗凝固性をも保有することが知られる.凝固促進性は,主としてトロンボプラスチンおよびトロンビン協同作用物質であると思惟されるが,一方,内因系トロンポプラスチン生成を抑制するとともに微弱な抗トロンビン様作用物質を含むことが証明せられた.また,ハブ抗毒素はヒメハブ毒の有する凝固促進性を中和失活せしめ得た.

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