日本内科学会雑誌
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抗炎症ステロイド薬の有効であつた血小板異常症の1例
渡辺 武夫川内 藤良武内 恵輔松井 克彦于 君英杉元 紘一安河 内太郎
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1969 年 58 巻 1 号 p. 40-45

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抄録

概要 Glanzmann-Naegeliの血小板無力症は血小板の質の異常にもとづく出血性素因として重要であり,出血時間延長,血餅退縮不良の他,血小板凝塊形成不良をその主徴とする.
今回われわれは,幼少時より出血傾向を有し,出血時間の延長,血小板粘着能および凝集能の低下を認めるが血餅退縮能が正常である19才男子についての症例を経験した. Incemanの記載するAthrombiaの概念に一致するが,血餅退縮が一見正常であつても潜在的には障害されている血小板無力症も存在するというBlaunsteinerの見解もある.われわれは本例について血小板の明らかな大小不同を認め,電子顕微鏡にても特徴ある所見をえ,また,プレドニソロンの効果を確認した.すなわち投与3日目にて,1)出血症状の改善, 2)ルンペルーレーデ現象の陰性化, 3)出血時間の短縮, 4)血小板粘着能正常化, 5) TEGにてma値の正常化を認め,本薬の作用は骨髄に働いて正常血小板を産生せしめたものと推論しえた.

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