1969 年 58 巻 4 号 p. 303-311
正常血清銅は,その95%がceruloplasmin銅として存在し, 5%がalbuminとゆるく結合していると解されている.しかし,疾患によつては,その結合銅比の変化することが認められる.その意義を検討すべく, ceruloplasminの生成,分解について,銅との関連によつて追求すべく, 64CuCl2を家兎に静注し,諸検討を加え,臓器における64Cu分布状態,肝,血清での64Cuの時間的変動状態,肝細胞分画での変動等よりceruloplasmin合成は肝において行なわれることが推定された.