日本内科学会雑誌
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動脈壁凝固線溶能にかんする研究
第I編Vasculokinase様物質について
大石 正晃
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1969 年 58 巻 7 号 p. 605-612

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抄録

動脈壁の凝固能を測定し,血栓形成への関与ならびに動脈硬化症との関連につき,種々検索した.新鮮剖検例より得た大動脈壁を1/10MpH4.6のacetate bufferとともにhomogenizeし,凍結融解操作を行なつて得た抽出液には, Caの存在のもとにフィブリノーゲンをフィブリンに転化せしめるvasculokinase様物質の存在することが証明された.この物質は疾患別による有意差は認められなかつたが,高令者で活性が上昇する傾向を示し,粥状硬化の強いものほど活性の増強が認められ,硬化度と活性度で密接な相関関係が証明された.次に抽出液中の各凝固因子を検索し,プロトロンビン,第V,第VII因子複合体,血小板第3因子様作用の存在が認められ,これらの因子とvasculokinase様活性物質との相関が考えられた.以上のことより動脈硬化とvasculokinase様活性物質とは密接な関係があり,動脈硬化の発生原因として重要なる意義を持ちうるものと推論された.

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