日本内科学会雑誌
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Chondroitin sulfatesの動脈硬化に及ぼす影響
I. 長期投与におけるchondroitin sulfatesの抗動脈硬化化用
中沢 浩二
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1970 年 59 巻 10 号 p. 1084-1092

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抄録

Chondroitin sulfates長期投与の抗動脈硬化作用について3年間臨床的に検討を行なつた.動脈硬化症患老32名を4群にわけ,I群はchondroitin sulfateA (CS-A), II群はchondroitin sulfate C (CS-C), III群はCS-AおよびCS-C混合末,IV群は乳糖対照群とし,各群に1日4.5g CSを3年間投与し,死亡率,眼底,心電図,脂質,血栓形成抑制時間,尿中hexosamine,赤血球沈降速度および血清蛋白などについて検討した.3年間の実験期間中CS投与群23名のうち5名の死亡者があり,乳糖投与群を含む対照30名では13名の死亡老があつた.循環器系の障害による死亡率はCS投与群で4%に対し対照群では17%であつた.眼底所見はCS投与群が改善傾向を示した.心電図ではST, Tの異常者17例中47%に改善をみ,脂質ではcholestero1の低下をみた.Chandler法による血栓形成抑制時間はCS投与群が対照群に比し有意に延長した.尿中hexosamineもCS投与群で増加した.赤血球沈降速度はCS投与後24カ月において改善の傾向が認められた.

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