30才,女子.母親,祖父,叔父,妹がRecklinghausen病に罹患,本人数年前より関節痛,微熱,蛋白尿,血尿を訴えた.全身皮膚に十数コのcafe au lait色素沈着を有し,血沈亢進,血清γグロブリン上昇,収縮期性高血圧,左右の橈骨動脈脈拍不同,左右上肢の血圧不同あり.心基部より両側頚部に収縮期雑音,〓上部にも低調収縮雑音を認めた.神経線維腫症と大動脈炎症候群の合併を疑い,大動脈撮影により総頚,鎖骨下,下行大動脈に広範な病変を認めた.腎生検では,糸球体にメサンギウム増加,細胞増多が認められた.以上からわれわれは本症例を神経線維腫症と大動脈炎症候群の合併と診断し,大動脈炎の原因として神経線維腫の大動脈への侵襲が考えるられることを文献的に考察した.