日本内科学会雑誌
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Radioimmunoassay法による血中T3 (triiodothyronine)測定の基礎的研究
八谷 孝
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1972 年 61 巻 11 号 p. 1384-1391

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抄録

血清T3値をT3RIAで測定した.抗T3抗体はT3とBSAを結合させたもので,ウサギを感作してつくつた.このT3抗体はL-T4との交叉反応は0.17%であつた.血清T3測定法には, (a)血清からエタノールでT3を抽出して測定する間接法と, (b)血清にサリチル酸10-2Mを添加してT3とTBGとの結合を離して測定する直接法とで,血清0.1mlのT3値を二重抗体法で測定した.直接法では,甲状腺機能低下症血清か,この血清をDCC処理によつて内因性T3を除去したものを用いて標準曲線を作成した.比放射能の高い125I-T3(454mc/mg)を用いると32から1,000pgのT3値が測定された.間接法での血清T3値は,甲状線機能正常者(51例)で0.96±0.52ng/ml,甲状腺機能亢進症(17例)で4.15±2.73ng/ml,甲状腺機能低下症(21例)で0.49±0.24ng/mlであり,間接法に比べて直接法では,平均値が正常者で0.36ng/ml,機能亢進症で3.42ng/ml,機能低下症で0.45ng/ml,機能低下症で0.45ng/ml高値を示した.

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