日本内科学会雑誌
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兄弟にみられたethanol-induced hypoglycemiaの2症例
大原 弘通細川 幸夫細川 英明前田 修一和田 武雄石井 禎郎
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1973 年 62 巻 10 号 p. 1378-1384

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抄録

26才と22才の兄弟にみられたethano1-induced hypoglocemiaの2症例を経験したので報告する.発見の最初のきつかけは,症例1(弟)が飲酒後低血糖昏睡を起こして入院したことによる.入院後の諸検査ならびにethanol負荷試験によつて本症が確認された.家族について50g GTTを施行したところ,次兄(症例2)の血糖値が異常に低値を示し,問診によつて前日飲酒したことが判明し,入院精査によつて同様の確診を得た.本邦のみならず,本症を同胞内に見出した報告は諸外国にも例をみないところから,稀有な症例として発表したが,なお患者自身がこのことを自覚していない場合には,酒酔に加わる意識消失によつて生命に対する危険性も大きい.その成因としては,飢餓時の飲酒によつて起こり易く,糖原の欠乏と糖新生の低下がその主因と考えられているが,関連して得られた知見を総合して考察を加えた.

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