日本内科学会雑誌
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急性特発性多発性神経炎の1例
大谷 逸子宮森 勇井村 優竹田 亮祐
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1973 年 62 巻 10 号 p. 1385-1390

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抄録

急性特発性多発性神経炎はGuillainらの報告以来多くの名称で記載され,種々の亜型の存在が報告されているが,心病変の合併にかんする詳細な報告は殆どなく,心拡大,心電図異常等の所見を生前にとらえた症例は見当らない.本症例は運動時動悸,下肢の運動麻痺,嗄声を主訴とした15才の男子で,下肢の知覚低下,筋の圧痛,腱反掛の消失を認め,経過中上気道感染を示す症状があつた.入院時心拡大と心電図上STの水平下降,CPKの上昇があり心筋炎の合併と考えた.心電図および心拡大の改善に続いてCPKも正常化したが神経学的異常のうち腱反射の消失,知覚障害,歩行障害は3ヵ月後も持続した.腓腹神経は電顕的に高度の髄鞘および軸索の崩壊を示し,再生線維と考えられる無髄線維の出現,Schwann細胞の反応,膠原線維の増加が認められた.

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