日本内科学会雑誌
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ヒト呼出肺胞気中methyl mercaptanおよびdimethy sulfideの定量分析と,その臨床応用
健常者と各種肝疾患患者についての検討
久村 正也
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1979 年 68 巻 10 号 p. 1284-1292

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抄録

硫黄化合物に特異的検出能力をもつガスクロマトグラフを用いて,ヒト呼出肺胞気中のmethyl mercaptan (alv-MM), dimethyl sulfide (alv-DMS)の定量分析を行なつた.健常者群(N, n=81),急性肝炎患者群(AH, n=15),慢性肝炎患者群(CH, n=13),肝硬変症群(LC, n=20),雷生検術後患者群(B, n=22)について比較検討した. alv-MMの早朝空腹値は, N: 0.34±0.09ng/dl (m±SE,以下同), AH: 0.56±0.31ng/dl, CH: 0.20±: 0.19ng/dl, LC: 1.01±0.41ng/dl, B: 0.62±0.22ng/dlで,各群間に有意差はなかつた. alv-DMSの早朝空腹値は, N: 1.66±0.10ng/dl, AH: 1.10±0.21ng/d1, CH: 2.18±0.54ng/dl, LC: 4.00±0.37ng/dl, B: 1.58±0.19ng/dlで, LCは他の群よりも有意の高値を示した.さらに,一部の症例で, dl-methionine 2.0gを経口負荷し, alv-DMS濃度を経時的に測定した.その結果, alv-DMS濃度の半減期(最高濃度が, 1/2に減少する時間)は, N (n=11): 58.0±4.9分, AH (n=7): 60.9±7.1分, CH (n=10): 83.4±13.9分, LC (n=16): 156.0±21.4分で, LCは他の群に比較して有意に延長していた.このalv-DMS濃度の変化は, l-methionine負荷によつては起こらず, d-methionine負荷によつて起こることが明らかとなつた.

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