日本内科学会雑誌
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Lipogranulomatosis subcutanea (Rothman-Makai症候群)の1例
植原 典美白川 茂内野 治人
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1979 年 68 巻 10 号 p. 1326-1331

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抄録

Rothman-Makal症候群(lipogranulomatosis subcutanea Rothman-Makai)は特発性に皮下脂肪肉芽腫を生ずる疾患であり, Weber-Christian病と近縁の疾患と考えられているが,後者に比べ極めて良好な経過をたどるとされる.我々は特発性に多発性皮膚硬結を生じ,皮膚生検により脂肪肉芽腫の形成をみた, Rothman-Makai症候群と考えられる1症例を経験したので報告する.症例は20才,男性.何ら誘因なく右下眼瞼浮腫と腹部,大腿にほぼ左右対称性に貨弊大の皮膚硬結を生じ受診した.発熱関節痛等の全身症状はなく,理学的検査では皮膚所見と右鼡部のリンパ節腫脹以外に異常はなく,生化学的検査,免疫学的検査においても特記すべき異常は認められなかつた.皮膚生検によつて皮下脂肪組織へのリンパ球,組織球等の浸潤と脂肪融解(lipolysis)がみられ,脂肪肉芽腫(lipogranuloma)の像が得られたが,血管炎の所見はみられなかつた.またリンパ節生検像ではsinus histiocytosisがみられた.消炎剤,サルファ剤の投与で経過を観察したが,初診後4カ月に至り次第に皮膚硬結,および眼瞼浮腫は痕跡なく消失した.良性の臨床経過をたどつたこと,および皮膚生検結果より本症例はRothman-Makai症候群と考えられた.現在この疾患の原因については全く不明である.

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