日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
Bee sting nephrosisの1例
西川 恵湯村 和子中西 祥子高橋 文夫詫摩 武英杉野 信博
著者情報
ジャーナル フリー

69 巻 (1980) 10 号 p. 1305-1311

詳細
PDFをダウンロード (1985K) 発行機関連絡先
抄録

ネフローゼ症候群の病因は多岐にわたるが, bee sting nephrosisの報告は比較的少ない.今回われわれは, 2度のbee stingの後発症した典型的な症例を経験し,免疫学的検査にて,若干の知見を得た.症例は20才,男性で,既往歴,家族歴に特記すべき事はない.昭和53年, 7月と9月の2度にわたり,フタスジスズメバチ(Discaelius japonicus pérez)と思われる蜂に神奈川県下で刺された. 2度目のbee stingから2日後,ネフローゼ症候群を発症した.血液学的検査で,好酸球,好塩基球が増加し, IgE値が長期にわたつて高値を示し, LDH-IgA (κtype) complexが認められた.腎生検所見は, minimal change with mesangial depositionの像を示し,蛍光抗体法でIgG, IgA, C1qの沈着が認められた.細胞性免疫能をmitogen responseおよびCon A-activated suppressor cell能で測定し,正常との差が認められた.ネフローゼ症候群,とくにminimal changeの像を示す症例にIgE高値を示す例も報告されているが,本症例においてもbee stingを契機として生じた免疫学的異常が,ネフローゼ症候群発症に深く関与している事が示唆された.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事

オルトメトリクス
閲覧履歴
feedback
Top