日本内科学会雑誌
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Mucocutaneous lymphnode syndrome (MCLS)の成人2症例
渡辺 治良松井 泰夫日野 和徳
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1980 年 69 巻 12 号 p. 1637-1643

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抄録

Mucocutaneous lymphnode syndrome (MCLS,川崎病)は小児,特に4才以下の乳幼児に好発する原因不明の急性熱性疾患である.致命率は0.5~1%でその大部分が冠状動脈瘤の血栓性閉塞によるものである.今回我々はMCLSと思われる成人2症例を経験した.第1例,第2例とも22才の男子でともにMCLS診断基準の主要6症状,すなわち, (1)原因不明の5日以上続く発熱, (2)手足の硬性浮腫,掌蹠ないしは指趾先端の紅斑,爪皮膚移行部からの膜様落屑, (3)水疱,痂皮を形成しない不定形発疹, (4)両側眼球結膜の充血, (5)口唇の紅潮,口腔咽頭粘膜の発赤, (6)非化膿性頚部リンパ節腫脹,をすべて満足していた.有熱期間はそれぞれ24日間, 34日間と長期であつたが等に心合併症もなく冠状動脈撮影でも正常であつた.近年,本邦でこのほかに2例の成人MCLS症例の報告があり,その2例はともに冠状動脈瘤が確認されている.小児のMCLS症例は年々増加しているが,我々ののこの報告が契機となつて成人例も同様に増加するのではないかと思われる. MCLS既往は動脈硬化のrisk factorとなる可能性もあり,さらに若年者心筋硬塞の一原因ともなりうると考えられる. MCLSは小児科領域のみならず内科領域においても今後等閑視できない疾患となるであろう.

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