日本内科学会雑誌
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多血症を合併した原発性肺胞低換気症候群の1例
畠山 牧男加納 康彦前沢 政次坂本 忍溝口 秀明三浦 恭定高久 史麿
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1980 年 69 巻 12 号 p. 1644-1649

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抄録

多血症を伴つた原発性肺胞低換気症候群の1例を報告する.症例は66才,男性.昭和54年2月より頭痛,めまいが出現し,某院にて赤血球増加症を指摘されたため,精査を希望して当科に入院.患者が20才の時から,睡眠中に高いいびきをかき,チック様の運動をすることに家族が気付いている.又この頃から日中,軽度の傾眠傾向が認められた.昭和51年頃から傾眠傾向はさらに増悪し,チアノーゼも出現するようになつた.入院時肥はなかつたが,チアノーゼと傾眠傾向を認め,睡眠中に無呼吸を伴う周期性呼吸が認められた.検査成績ではHb. 17.5g/dl, Ht. 62%, 51Crで測定した循環赤血球量39ml/kg,と絶対的な赤血球数の増加があり,又動脈血ガス分析では, pH7.320, PaCO2 69.7mmHg, PaO2 32.6mmHgと著明な呼吸性アシドーシスを認めた.肺機能はほぽ正常で,本院耳鼻咽喉科での診察では上気道の閉塞は認められなかつた.強制過換気によつて,低酸素血症,並びに高炭酸血症はpH7.502, PaCO2 42.2mmHg, PaO2 63.5mmHgと改善した. CO2負荷による呼吸中枢のCO2感受性刺激試験では明らかな換気反応の低下が認められた.患者は原発性肺胞低換気症候群と診断された. polygraphic studyを行なわなかつたため,確認は出来なかつたが,本症例がsleep apnea syndromeでもある可能性が強く示唆された.

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