日本内科学会雑誌
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多発性筋炎の心病変に関する臨床的研究
吉井 昭夫後藤 哲也近藤 啓文柏崎 禎夫
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1980 年 69 巻 5 号 p. 535-540

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抄録

多発性筋炎ならびに皮膚筋炎(PM-DM)における心病変の系統的研究はほとんどない.そこで本症にみられる心病変をcontrol studyによつて解析するとともに, CPKアイソエンザイムの臨床上の有用性を検討した. PM-DM23例について,心電図所見を細菌性感染症患者と正常人とを対照としたcontrol studyによつて検討した.本症の活動期に, 1)ST-T異常は52%, 2)その他の心電図異常のうち期外収縮は13%で対照群と比べ高頻度に認められ,それらは非活動期に軽快する傾向がみられた. 3)心拡大は10例(43%)に, 4)発熱を伴わない頻脈は3例にみられ,活動性の消退とほぼ並行した.これら4項目のうち2項目以上をもつ症例を心病変あり群とすると, 10例(43%)に心病変が認められた. overlap症候群を除いたPM14例の分析で,心病変あり群では骨格筋病変も重篤であつた.筋原性酵素のうちMB CPKアイソエソザイムの異常高値が12例中7例みられ,その4例に心病変が認められた.多源性心室性期外収縮が多発し,生検で心筋炎を確認した症例で,期外収縮の増減と平行して%MB CPKが変動した.以上よりPMの43%に心病変が出現し,その多くは本症に基づくものと考えられた.各種の筋原性酵素のうち, MB CPKアイソエンザイム値が心病変とよく平行し,その診断,治療の指針に有用であつた.

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