日本内科学会雑誌
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変換酵素抑制薬カプトプリルの降圧効果に関する臨床的研究-その降圧機作にかんして-
圓山 アンナ荻原 俊男中 透三上 洋波多 丈中丸 光昭桧垣 実男神田 敬夫熊原 雄一岩永 圭市
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1980 年 69 巻 5 号 p. 541-547

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抄録

変換酵素抑制薬カプトプリルを各種高血圧患者32例に1~4カ月長期投与し,降圧薬としての有用性を検討すると共に,降圧度とレニン依存度との関連を検索するため,本薬投与前血中,尿中各種検査データならびにアンジオテンシンIIアナログ(AIIA)テストの反応とを比較した.本薬の有効率(平均血圧-13mmHgを有効)は1, 2, 4カ月においてそれぞれ60, 80, 76%であつた.利尿薬と併用することにより有効率は増大した.投与2カ月までの降圧度は投与前血漿レニン活性(PRA)と有意な相関を示したが, 4カ月後には相関が認められなくなつた.なお,降圧度と投与前A II Aテストの反応との間にも同様な関係がみられた.投与前血中および尿中電解質,クレアチニン,尿中カリクレイン,尿中アルドステロン,尿中カテコラミンは降圧度と何ら相関を認めなかつた.カプトプリルは高レニン性高血圧に特に有効であり,長期投与においては低レニン性にも有用である.本薬投与2カ月後までの降圧度は投与前PRAおよび投与前A II Aテストによる反応により予知でき,レニン依存性である. 2カ月以後では有効性とレニン依存度との相関が薄れ,レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系抑制以外の降圧機作が関与していると思われる.本薬の長期投与により可逆性な発疹を数例認めた以外,特に重篤な副作用はみられなかつた.

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