日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
閉塞性黄疸を呈した胆道アスペルギルス症の1例
藤山 重俊相良 勝郎尾上 公昭中川 昌壮平岡 武久田代 征記
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 69 巻 5 号 p. 587-592

詳細
抄録

胆道系アスペルギルス症により,閉塞性黄疸をきたした1例を経験した.かかる例は内外とも未だ報告をみず,極めて貴重な症例と思われるため報告する.症例は41才,女性で, 1974年2月,右扁桃腫瘍を疑われて本学耳鼻咽喉科に入院し,組織学的検査により扁桃アスペルギルス症と診断され, Amphotericin Bの投与を受け, 2ヵ月後に治癒,退院した.しかしながら,同年6月に至り,右季肋部の疝痛発作および黄疸が出現したため,当科に転じた.入院時,黄疸,肝腫大および右季肋部の限局性抵抗を認めたが,胸部X線像上異常は認められなかつた.総ビリルビンは19.6mg/dl (直接型17.0mg/dl)と上昇し,アルカリフォスファターゼ250mU/ml, γ-グロブリンの上昇,血沈高度促進,末梢血好酸球著増などがみられ,内視鏡的膵胆管造影で総胆管の狭窄像を,低緊張性十二指腸造影では下行脚の二重構造および辺縁鋸歯状の像を認めた.黄疸漸増のため,経皮経肝胆道造影を行なつたところ,肝外および肝内胆管の壁不整がみられた.胆管癌の術前診断の下に開腹し,三管合流部に超鶏卵大の腫瘤が認められた.組織学的には胆管肉芽腫で, PAS染色によリアスペルギルス症と診断された.なお,約5年後に死亡したが,剖検により胆道系,口蓋扁桃および脳底部などのアスペルギルス症が認められたが,肺病変は認められなかつた.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事
feedback
Top