日本内科学会雑誌
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Turner症候群(45, XO/46, XXq+のモザイク)に発症したsystemic lupus erythematosus (SLE)の1例
武上 俊明中尾 一和永山 洋一藤田 宗星野 孝恒松 徳五郎井村 裕夫井谷 舜郎深瀬 政市
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69 巻 (1980) 7 号 p. 861-866

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抄録

症例は20才の女性.無月経であり,翼状頚,外反肘,後頭部頭髪低位,短躯(151cm)がみられる.知能は正常だが, X線像で骨年令15才,長管骨,指骨の骨端線の離開を認める.内分泌学的検査で原発性性腺機能低下症があり,頬粘膜上皮細胞のBarr bodyは陽性で末梢血リンパ球の染色体分析では, 45, XO/46, XXq+のモザイクを示した.さらに本症例はARAのSLE診断基準の6項目を満たし,抗核抗体強陽性,抗DNA抗体の高値,腎生検でループス腎炎の所見があつた.以上により本症例はTurner症候群に発症したSLEと診断し,ステロイド投与,性ホルモンの周期的投与を行なつた結果, SLE症状の軽快,検査成績の改善があり,性器出血をきたすようになつたので退院させ外来で観察中である.先天性染色体異常症には自己免疫疾患が高頻度に発症する. Klinefelter症候群に発症したSLEの報告はあるが, Turner症候群は甲状腺炎,バセドウ病,若年性関節リウマチ等の自己免疫疾患の発症のみで未だSLEのそれはない.この世界で最初と思える症例について,染色体異常とSLE発症の因果関係を検討した.自己免疫疾患の発症に細胞遺伝学的背景を考える場合,本症例は非常に興味深い症例である.

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