日本内科学会雑誌
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好酸球性筋膜炎の2例
友杉 直久木田 寛竹田 慎一吉村 光弘横山 仁越野 慶隆朝本 輝夫斉藤 弥章安部 俊男服部 信
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73 巻 (1984) 12 号 p. 1823-1830

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抄録

好酸球性筋膜炎の2症例を経験したので,その経過を報告するとともに,従来の報告例を検討し,本症の特徴を考察した.第1例は,ボーリングゲームの後に右前腕部の腫脹・落痛に気づき,続いて左前腕・両側下肢にも同様の症状を認めた.そのため上下肢大関節の運動域が制限された.また発症1年後,一過性にRaynaud現象の出現をみた.末梢血では好酸球増加を認め,さらに皮膚・筋肉生検では,著明な筋膜の肥厚とともに筋膜内の血管周囲にリンパ球を主体とした単核細胞浸潤を認めた.第2例は,ソフトボール練習後の両側大腿部突つ張り感で発症した.その後,両側上肢に腫脹・疼痛が出現し,四肢関節の運動が制限された.好酸球増加症は認めなかつたが,皮膚・筋肉生検所見は第1例と同様であつた. 2例ともステロイド治療が奏功し,短期間で症状は改善したが,いずれも筋膜肥厚に伴う軽度の関節運動域制限および正座困難を残した.従来の報告をまとめると,皮膚の硬化を89%に認め,くわえて68%の症例に罹患部の疼痛を認めたことは注目に値する.つまり本症は,四肢の腫脹・疼痛を伴う比較的経過の速い急性炎症像を呈すること,ならびにステロイドが著効を奏することより,進行性全身性硬化症とは本質的に区別すべき疾患であると考えられる.ただし, 72%と高率に筋膜の線維性肥厚に伴う関節運動域の制限を残すことより,ステロイドによる早期治療が肝要と思われる.

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