日本内科学会雑誌
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胸水,心膜液貯留にて発症し,低4倍体性の染色体異常を示したgranulocytic sarcomaの1例
日下 大隆板橋 孝一鈴木 潤一竹内 守渡辺 尚吉黒田 練介若松 時夫山城 勝重三国 主税
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1984 年 73 巻 8 号 p. 1170-1176

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抄録

Granulocytlc sarcomaは,顆粒球系幼若細胞から成る腫瘤形成を特徴とする疾患である.本疾患は骨髄性白血病患者剖検例の3~8%に認められると言われているが4)6),本症例のごとく腫瘤形成で初発し,初診時末梢血・骨髄において白血病の所見が認められず,約10カ月後に白血化した症例の報告は本邦ではまれである.このような症例では,診断に当つては, HE染色では“histiocytic” lymphomaに類似した像を示すので,鑑別のためには, (1) naphthol-ASD-chloroacetate esterase染色(2)細胞内リゾチームに対するimmunoperoxldase染色, (3)電顕などの検査が有効である1).また本症例は染色体核型分析において, 90, XXXX, del (1) (q32 q42), del (1) (q32 q42), t (9; ?) (p24; ?), -5, -14, -21, +marと低4倍体性を示したが, granulocytlc sarcomaにおいて4倍体域の染色体異常を示した最初の1例である.

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