日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
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恙虫病の疫学および診断に関する考察
岐阜県地方の9症例を中心に
粕谷 志郎平野 明人岩田 敬和浜野 博次恒川 次郎重村 元嗣島田 永子泉 清弥日置 敦巳
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1985 年 74 巻 12 号 p. 1652-1657

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抄録

1983年~1984年の2年間に岐阜県-地方で経験した恙虫病9症例について,その感染経路,臨床経過,抗体価の推移などを検討し,以下の結論を得た. 1) 2年間を通して感染を受けた日付は, 10月20日~11月20日までの1カ月間に集中していた.また感染に至つた行為は山いも掘り,庭の手入れ等,土壌に接する行為であつた. 2)発熱,発疹,リンパ節腫脹に加え,刺しロが全例で確認できた.潜伏期間は4~12日であつた. 3)全例において肝機能検査および尿検査の異常値が認められた. 4)抗体価(蛍光抗体法)は初診時に陰性例もあつたが最高1: 320以上を示し, 1年を経過しても陽性であつた. 5)ミノサイクリン,リファンピシンにて全例完治した.

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