日本内科学会雑誌
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心病変の注目されたアレルギー性肉芽腫性血管炎の1症例
小玉 眞紀子馬場 ますみ竹内 明輝田村 勤橋本 喬史宮下 英夫高津 成美豊田 晶雄
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1986 年 75 巻 11 号 p. 1638-1643

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抄録

症例は26才,女性.昭和58年喘息発作で初発し,その後出没を繰返す-過性の肺浸潤像発熱,多発性単神経炎等が出現し,好酸球20700/mm3, IgE8400U/m1と高値を示した.心臓の自覚症状は存在しなかつたが,心電図上,全誘導でR波の減高, T波の逆転がみられ,心エコー図では,壁全体の収縮の低下と,中隔に限局したasynergyと考えられる領域がみられ,冠動脈造影では,末梢動脈領域にpoolingがみられた.プレドニソロンの投与により,臨床症状および検査成績は改善し,心電図も正常化したが,心エコ一図の所見は不変であつた.心病変に注目し,経過を追つて観察しえたアレルギ-性肉芽腫性血管炎の1例である.

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