日本内科学会雑誌
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Systemic lupus erythematosusの経過中に特発性門脈圧亢進症の発症をみた1症例
特発性門脈圧亢進症に対するSLEの役割に関する一考察
加藤 光敏野間 健司竹内 康人永野 允
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1986 年 75 巻 12 号 p. 1836-1840

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抄録

55才,女.昭和54年に関節痛,指のこわばり出現.肝脾腫,汎血球減少,種々の免疫異常(LF細胞,抗核抗体,抗PNA抗体陽性)等が認められ, SLEと診断された.肝生検では門脈路末梢のつぶれ,類洞流床虚脱等,門脈圧亢進の初期像を示唆する所見が認められた. steroid投与による維持療法が行なわれていたが, 5年後突然吐血し,食道静脈瘤破裂と確認され,内視鏡的硬化療法にて止血す.腹部CTで巨脾を認め,また肝の再生検では前回見られなかつた異所性門脈路が明確に形成されBanti肝に一致する像を得た.本症例を通じ,特発性門脈圧亢進症の成因の一つに,自己免疫疾患が関与している可能性が示唆され,さらに本症の初期像と進展を把え得た貴重な症例と考え報告した.

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