日本内科学会雑誌
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抗不整脈薬が原因と思われるtorsades de pointes, polymorphous ventricular tachycardiaの3例
安田 光隆戸田 為久秋岡 要寺柿 政和奥久 雄竹内 一秀武田 忠直井上 英二生野 善康堀口 哲雄
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1986 年 75 巻 9 号 p. 1262-1266

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抄録

Torsades de pointes (以下TdP), polymorphous ventricular tachycardia (以下polymor phous VT)は,頻拍発作時QRSの軸が周期的に変わる心室性頻拍で,欧米での報告はあるが本邦では少ない.今回我々は抗不整脈薬に起因すると思われる3例を経験したので報告する.症例1は63才の女性で急性心筋炎による心室性頻拍の治療に用いたquinidine, procainamideが原因であつた.症例2は83才,症例3は81才のいずれも女性で,ともに頻脈型心房細動に用いたdisopyramideがその原因と考えられた.幸い3例とも原因と思われる薬剤の中止と,心室ペーシングにより軽快している.以上より,特に高令の女性の不整脈の場合, TdP, polymorphone VTも考慮に入れて治療することが必要と思われた.

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