1987 年 76 巻 1 号 p. 67-72
連続波ドップラー法で得られた三尖弁逆流速度を簡易Beronulli式に応用し,右室右房間の収縮期圧較差を算出した.さらに下大静脈横断像の前後径/横径より二分しそれぞれ右房圧を設定し,連続波ドップラー法で得られた圧較差に加え右室収縮期圧を求めた.連続波ドップラー法と心カテーテル検査で得られた圧較差はy=0.99x-3.6, r=0.98の相関を示した.連続波ドップラー法で求めた右室収縮期圧は心カテーテル検査で得られた右室収縮期圧とy=0.95x-1.6, r=0.97の相関を示し,三尖弁逆流の重症度,右心不全の有無および右室収縮期圧の程度によつては差を認めなかつた.連続波ドップラー法は簡易Bernoulli式を用い右室収縮期圧を算出可能と考えられた.