日本内科学会雑誌
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冠血管病変からみた心筋梗塞の予後
福井 須賀男鈴木 敬一郎竪山 仁根佐々木 達哉濱野 裕加藤 修南野 隆三谷 明博
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1987 年 76 巻 10 号 p. 1529-1534

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抄録

急性心筋梗塞後生存退院した651例(男512例,女139例)を対象に退院後の予後を解析し,冠血管病変および左心機能の予後に対する影響を検討した. (1)観察期間中の死亡数は133例(20.4%)であり,二枝以上の血管に有意狭窄のある多枝病変例(MVD)の予後は不良であった. (2)心臓死の主たる死因は再梗塞,ポンプ失調,突然死であった. (3)罹患冠血管枝別では左前下行枝(LAD)に病変のある例での予後は不良であった. (4)左心機能の低下例(LVEF<0.4)の予後はMVDで左心機能の正常例に比し予後が悪かった. (5) MVDでは観察期間中の再梗塞の発症も高率であり,致死的例が多かった.

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