日本内科学会雑誌
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嚥下性徐脈の1例
小山 泉高木 精一佐々木 治中村 直樹宮本 一行井上 幸愛
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1987 年 76 巻 3 号 p. 425-430

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抄録

嚥下性失神の1例を経験した. 51才男性で,心疾患,食道・胃疾患はない.血液検査,心電図,ホルター心電図,脳波,脳CTに異常はみられなかった.観血的血圧測定と心電図とを同時に記録しながら,嚥下時と,食道内に挿入したバルーンの内圧を変化させた時との反応を観察した.まず嚥下により徐脈がみられることを確認した.次にバルーン内圧を様々に変化させたが,低い圧(20mmHg)では徐脈がみられ,さらに圧を高くして80mmHgにするとpulse intervalが3.8秒に延長し,血圧も收縮期圧で27%の低下を示した.すなわち圧を高くすると反応も強くなる傾向がみられた.また内圧負荷をくり返すと徐脈と血圧低下の反応が弱まる傾向がみられた.

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