日本内科学会雑誌
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乳房形成術後にサルコイド様病変を有するmyopathyをきたした人adjuvant病の1例
加藤 正孝橋本 修村瀬 全彦梅田 みどり山藤 正広寺倉 俊勝高井 哲武藤 泰敏
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1987 年 76 巻 3 号 p. 445-450

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抄録

20年前に受けた乳房形成術(シリコン)後に発症したと考えられる,サルコイド様病変を有する人adjuvant病の1例を経験した.症例は41才,女性.嚥下障害,下肢脱力,易疲労感を主訴として入院.顔面に米粒大以下の紅斑~丘疹,下肢筋力低下があり,両側乳房内に硬い超鶏卵大腫瘤が触知された.血中CK, aldolase,尿中creatine値が高く,筋電図上myogenic patternが認められた.摘出されたシリコン周囲,皮疹,下肢筋にはサルコイド様結節が認められ,血中angiotensin変換酵素(ACE)とリゾチーム活性も高値なことより,サルコイド様病変と考えられる.乳房形成術後の人adjuvant病で筋炎(サルコイド様病変)を伴った例は,本例が最初と考えられる.

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