日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
肺癌治療中に,合成抗菌剤により生じたと思われた発作性ヘモグロビン尿症の1例
桑原 英真三浦 進高橋 仁公高田 誠植原 政弘斎藤 昭三栗原 正英根本 俊和小林 節雄
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 76 巻 3 号 p. 451-452

詳細
抄録

肺癌患者の治療中に,合成抗菌剤により発作性ヘモグロビン尿症を生じたと思われた1例を経験した.本症例は3回にわたって著明なヘモグロビン尿が出現したが,合成抗菌剤の中止により消失した.クームス試験,手足冷却試験, Donath-Landsteiner抗体,さらにHam test, sugar water test等すべて陰性であった.本症例の溶血は何らかの赤血球膜の脆弱性亢進が薬物により生じた結果発症したものと考えられた.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top