日本内科学会雑誌
Online ISSN : 1883-2083
Print ISSN : 0021-5384
ISSN-L : 0021-5384
本態性高血圧症における体液量分布の調節機序
太田 博真高畠 利一前川 正和山本 嘉治石田 陽一原 博元中村 三郎服部 信
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 77 巻 11 号 p. 1693-1696

詳細
抄録

本態性高血圧症患者の体液量の調節におよぼす血圧と腎機能の影響について検討した.平均血圧と細胞外液量,循環血漿量と細胞外液量の比および循環血漿量と細胞間質量の比との間にはそれぞれr=0.500, -0.550, -0.534といずれも有意の相関がみられたが,循環血漿量との関係はなかった.〓過率と平均血圧および細胞外液量との間にそれぞれr=0.559, 0.506の有意の正相関がみられた.以上より,本症患者における細胞外液量は腎血管緊張と関連して調節され,その血管内外の分布は一部血圧と関係して変化していると考えられる.

著者関連情報
© (社)日本内科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top