日本内科学会雑誌
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腎奇形およびgrowth hormone分泌障害を合併したKallmann症候群の1例
富永 知子沖 隆田中 一成池田 幸宏坂本 益雄南野 正隆吉見 輝也
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1988 年 77 巻 3 号 p. 409-413

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抄録

腎奇形およびgrowth hormone(以下GH)分泌障害を伴ったKallmann症候群を報告する. 18才,男性.二次性徴遅延,低身長,肥満を主訴に入院.嗅覚低下,停留睾丸,右腎低形成,左重複腎盂重複尿管,慢性糸球体腎炎を伴っていた.内分泌検査上,血漿LH, FSH,テストステロンは低値で, clomiphene試験, LH-RH試験に対し, LH, FSHは無反応であったが, LH-RH連続負荷試験により反応性の改善が認められ,視床下部性性機能低下症の所見を呈していた. GHの基礎値も低値で,インスリン負荷およびアルギニン負荷に対し無反応であったが, GRF試験ではわずかな反応を認めた. Kallman症候群に合併したGH分泌障害,肥満に関し,視床下部障害に起因する可能性もあり,考察を加えた.

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