日本内科学会雑誌
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膜性腎炎発症2年後に慢性関節リウマチを合併した1例
小林 広幸滝田 節鈴木 洋通猿田 享男緒方 謙太郎坂口 弘
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1988 年 77 巻 7 号 p. 1011-1016

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抄録

膜性腎炎発症2年後に慢性関節リウマチを併発した1例を報告する.症例は50才,女性. 1985年2月,腎生検で膜性腎炎(Stage II)と診断. 1987年1月, 6週間以上持続する近位指骨間関節の対称性腫脹・リウマトイド因子陽性より慢性関節リウマチと診断.同時期の腎生検では膜性腎炎はstage IIIで,メサンギウム領域にも沈着物があり腎病変と慢性関節リウマチとの関連が示唆された.二次性膜性腎炎をきたす薬物の使用歴・感染・悪性腫瘍はなく病理組織上アミロイド沈着・血管炎もない.抗核抗体と抗DNA抗体陰性・高補体価よりSLEの合併はない.膜性腎炎が先行した慢性関節リウマチは稀有で,両疾患の病因を考える上で示唆に富む症例と思われる.

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